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 ◇「女王陛下の薔薇B」 三浦真奈美 (中央公論新社)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

  エスティが新聞に掲載したコラムは植民地を占有し私服を肥やす権力者たちの悪政を暴き出した。

 自分が世論の矢面に立てば親友たる女王に集中する攻撃を僅かなりとも逸らすことが出来る――そう信じた彼女は黙々と真実だけを綴っていく。

 その真摯な姿勢にやがて一人二人と理解者は増えていくのだったが!?

+-+- 感想 -+-+

 少女は女性にへと変化していく。

 エスティはその女性像をちゃくちゃくと自分のスタンスで熟成させていっている。

 また、リディアとシンがついに本国へと戻ってきて、そして現実を見つめ始める。

 リディアに訪れた変化は劇的だった。エスティとの再会から、彼女が見出し始めたものはエスティが体現している必死さだった。

 

 女王は必死に自分の地位を守りながら、色濃い疲労を滲み始めさせている。

 しかし、彼女のその必死さは過去の経験が原因だったがそれが同時に力であった。

 蕾は花になる。

 それぞれの色と匂いで、その成長の過程で生じる様々な刺をこの巻ではうまく描いていると思う。

 

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