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 ◇「ぶたぶたの休日」 矢崎存美 (徳間デュアル文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 ある時は占い師、ある時は定食屋手伝い、はたまたある時は刑事。動き、喋り、働くピンクのぬいぐるみ(ほぼバレーボール大)、山崎ぶたぶた氏は何を隠そう、お父さんでもあるのだった!

 休日だからと気を抜いてしまったのか、ちょっと洗濯物を干し、雨の中を買い物に走る。約束の時間に間に合わせるために……。

 ぶたぶたの魅力あふれる「お父さんの休日」「約束の未来」「評判のいい定食屋」「女優志願」の四篇を収録。

+-+- 感想 -+-+

 ぶたぶたを見ると人はだいたい驚き戸惑い、その後、どうしようもなく惹かれていくのだ。

 外見にそしてそれ以上に内面に。

 物静かな男性だと思われる山崎ぶたぶたさんはいつも悪意なく真摯に登場人物たちに接する。

 それぞれ悩み、傷を負った登場人物たちはそのぶたぶたを通じて、何かを気づく。

 それは彼の外見のためか、それとも内面のためか。

 そのどちらなのか、それともどちらでもないのか。

 とにかく、どれにせよ、登場人物たちがぶたぶたに会った事に、何かを得たのは確かだった。どれもそれぞれいい。甲乙つけがたいものである。

 通常、多少の好き嫌いがあるのだけど、この「ぶたぶた」に関してはどれもいいと思ってしまう。これは非常に優れたことだと思う。

 

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