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◇「夜への旅立ち」 田中芳樹 (徳間ノベルス) ◇
+-+- あらすじ -+-+
少年の頃、火事が原因で両親を失い、火傷をした冬木涼平は、奇しくも同じ日、皮膚移植手術を受けた北園晴美と大学で再会した。二人は手術以来、類稀な能力を潜めた身体をそなえていた。
日本を陰で牛耳る御前こと吉備忠熙は、この秘密を掴んでいた。第二次世界大戦前に日本と満州国で公安検事として思想弾圧に辣腕を揮っていた人物である――。
田中芳樹の初期作品の短編集。
+-+- 感想 -+-+
何年かぶりに銀英の懐かしいメンツと、そして田中芳樹の初期作品を読んだ。もちろん、今の作品と比べると、文体やプロットの部分などで稚拙さを感じるが、それ以上に僕は田中芳樹独特の悪態が面白くて、つい「ふふっ」と笑ってしまった。
個人的には最初の「黄色の夜」が好きである。なんと言っても主人公とおんぼろ車との会話が面白い。この辺りからも田中芳樹の原型が読み取れた。
とにかく田中ファン一見の価値ある作品であろう。
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