△booklist top

 

 ◇「彼女の朝」 村山由佳 (集英社文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 進展するに見えて、なかなか思うように進まない勝利とかれんの「秘密の恋」。互いの心が見えなくて、不安になったりもしたけれど。そんな気分をすべて洗い流したくて、二人できた鴨川。思いっきりはしゃいだその帰り、外房線の不通というアクシデントが。

 

 「……今日は、鴨川にいない?」消え入るようなかれんの言葉の意味が、ようやく理解できたとき勝利は――。

 

 はじめての、二人だけの夜。

+-+- 感想 -+-+

 かれんってすっごくいい女だなぁ。

 そして、勝利もすっごくいい男だなぁ。

 そんないい女といい男。

 二人とも相手が大切すぎるために、壊れてしまう関係を恐れてしまうためになかなか進展しない。

 

 しかも、普通の恋愛でも困難な状況なのに、次々と、他から色々邪魔する出来事が起こる。僕は何度もそんな展開に笑ったり、やきもきしたり、ついつい自分が勝利になって、かれんを守ってやりたくなる。

 

 ひょんな事から、二人だけの夜。

 勝利とかれん。

 愛しすぎて、優しすぎる二人が出す結論にぐっと共感を覚えてしまう。

 愛しすぎて、優しすぎる…この矛盾したようで、うまく混在した愛の行方がとても気になり、この二人は、この二人らしい愛を貫いて欲しいと思った。

 

△Topに戻る△