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 ◇「モモ」 ミヒャエル・エンデ (岩波書店)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 大都会の廃墟に住む女の子モモは、まわりの友達や大人たちから好かれていた。

 ある日、人々の生活が急に何かに追い立てられ、せかせかと暮らすようになる。

 大人達はお金になる事以外はできるだけ節約し、子供達は遊びを奪われ将来為になる勉強を強制される。

 この背後には謎の灰色の男達がいた!!

 児童文学でも、大人に読んでもらいたい一冊!

+-+- 感想 -+-+

 児童文学というものはたぶん、大人は幾ばくかを失ってしまったもの、そして子供には失って欲しくないものを描いているような気がする。そしてこのミヒャエル・エンデの『モモ』はかなり日本人ならどきりとしてしまう内容だろう。

 

 時間とは何?人はどう生きるべきか、どう感じるべきか。

 

 様々な事を問いかけてくる。それは同時に子供達へのメッセージなのだろう。こう感じてはダメだ。こう生きてはダメだと…。そう声高に作者は叫んでいる。それは同時に社会への警鐘なのかもしれない。なぜ、この「モモ」が子供のみならず大人たちにも非常に支持されているのか、それはモモで登場する大人たちの、子供たちの描写が「モモ」の世界で非常にリアリティをもって訴えかけてくるからだろう。

 

 児童文学の最高峰なのは疑いようがない。

 

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