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 ◇「奪取(上)」 真保裕一 (講談社文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 一千二百六十万円。

 友人の雅人がヤクザの街金にはめられて作った借金を返すため、大胆な偽札造りを二人で実行しようとする道朗・22歳。パソコンや機械に詳しい彼ならではのアイデアで、大金入手まであと一歩と迫ったが……。

 日本推理作家協会賞と山本周五郎賞をW受賞した、涙と笑いの傑作長編サスペンス。

+-+- 感想 -+-+

 序盤から非常に緊迫感のある展開が連続する。

 機械社会の陥穽をついた点は非常に興味深い。

 また、話が展開するごとに混沌としていく状況。

 絡み合う人間関係。

 そして、残酷な現実。

 何が起こるか一寸先は闇のような気分で僕は読み進めて行った。

 

 最初は生き延びるための偽札造りだった。

 でも、その作成途中、主人公の心境にある変化が…。

 子供だましな生活が終わり、主人公は厳しい世界の門を叩く。

 その主人公の姿こそ、感じ入る何かがあったように思える。

 

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