長野まゆみの代表作と言ってもいいかもしれない。
不思議な世界観。
強くてもどこかもろい少年たち。
綺麗な色をした様々なもの。
長野まゆみの特徴的なものがほとんどうまい具合に溶け合っている。
唯一ないのは、崩壊した世界観だけれど、これはそのような作風ではないから、当然の事である。
タイトルどおり、どこか不思議の国のアリスを連想させるけれど、中身はまったく違う。
あらすじを見てもらえればわかるけれど、夜の学校が舞台である。
ただ、アリスは不思議な授業を受けるのだ。そこには奇妙な雰囲気の先生と生徒がいて、驚くべきものをつくっていた。困惑しつつもアリスはその授業を受けた。
まわりとの疎外感を感じ始めた彼は親友を思い出し、自分の心と向き合おうとする。
少年の透明感のある感性が、夜の学校と溶け合った非常に綺麗な作品だと思う。
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