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 ◇「炎の記憶」 田中芳樹 (中公文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 大学入試監督のバイトをしていた冬木涼平のもとに、受験票を紛失した美少女が相談に来た。

 彼の名を知った少女・北園晴香は、涼平のいる大学に入るために受験したと言う。

 十八年前、晴香と涼平は同一人物から皮膚移植をうけてた。

 二人の再会で運命の歯車は急速に回り始める!!

 短編八篇収録。

+-+- 感想 -+-+

 以前に読んだものもあったけれど、それでも面白かった。

 若干、今よりも文章が堅いかなかな?という印象は拭えなかったけれど、しっかりしたストーリー構成は今の田中芳樹を彷彿とさせるに充分だった。

 SFあり現代超能力ありと田中芳樹の原点を読める短編集であると思う。

 

 個人的にオススメな短編は

 「長い夜の見張り」

 「黄昏都市」

 の2作品と、表題作である冬木涼平シリーズだ。

 

 「長い夜の見張り」は未来の出来事の話で、なかなかぞっとしないではない展開が待ち受けている。

 また「黄昏都市」も未来の話だけど、こちらは逆に希望の持てるようなハートフルな展開だ。どちらにも共通して言えるのは、描写の上手さだろう。

 

 引き込まれてしまう文体は今も昔も変わりないという事かもしれない。

 

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