大沢在昌が書いた物語を読んで読者が終章を公募で応募し、その最優秀作品が終章として掲載される。
この画期的なシステムにより未来形Jという物語は構成されている。
最初に注意を言っておけば、最後の終章はあくまで未来の選択可能な形の一つという点。これが絶対的な結末だというわけではなく、もっとも優秀な結末という事なだけだと思う。やはり書き手が変わると、違和感がある。
でも、とても説得力のある結末でなるほどと頷いてしまうぐらいにうまく「未来形J」の謎を描ききっていた。
謎の女性に導かれ、謎を凸凹な五人組がユニークに解いていく。
手探りながら、「誰がJなのか?」という核心へと彼らは着実に歩んでいった。
J-phoneのユーザー向けに書かれたものでとてもライトな文章で若者向けの物語である。
ハードボイルドが多い彼の作品とは一味違う作風になっていると思う。
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