◇「レディ・ガンナーの大追跡（上）」 茅田砂胡 （スニーカー文庫）  ◇

+-+- あらすじ -+-+

　ウィンスロウ家のお嬢様キャサリンは、旅先で知り合った風変わりな用心棒四人組に魅せられ、その一人<蜥蜴>のべラフォードの似姿を、美術の授業で描いてみた。しかし、彼らの用心棒たちの、動物に形態変化する能力に注目していた、秘密結社がこれに気づいたから、さあ大変。

　キャサリンは、自らの不注意が引き起こした大騒動に、父親が止めるのを振り切って、ふたたび飛び出した！

+-+- 感想 -+-+

　レディ・ガンナーの続編。

　しかし、なんと<上巻>ではあの用心棒四人組がまったく出てこない。

　その代わり、前の巻で語られなかった世界観が多く語られていて、この後の話の展開に広がりが出たのも確かだ。

　そして、一巻で出てきたサブキャラクターたちが個性豊かに物語を展開していく。

　その中でも一番の注目は前の巻でも登場した<蛇>のヘンリーだろう。

　前の巻では紳士的な大蛇のイメージだったけれど、この巻では深い知性の方が際立っているように思えた。

　大陸の構成、種族の構成純血種、思想の対立、種族の対立などなど、多くの大きな問題が出てきたのは注目できる。この後、これらのバックグラウンドがどのように関わってくるのかが興味深い。