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 ◇「刑事ぶたぶた」 矢崎存美 (徳間デュアル文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 銀行強盗が、人質をとって立てこもっている!

 配属早々の大事件に、春日署の新人刑事・立川君はちょっとパニック。

 しかし、大丈夫。こんなときこそ<彼>の出番。

 走り、喋り、ほんの隙間からも潜り込める――薄ピンク色のぬいぐるみ、ぶたぶた。

 彼は何を隠そう立川君の上司、つまり刑事なのだ。

 

 宝石窃盗事件も、赤ちゃん誘拐事件も、そのプリティな鼻を動かせば、どんな犯人だってすぐ嗅ぎつけられる(?)。ちまたで超人気の『ぶたぶた』シリーズ。

 山崎ぶたぶた、有能です!!

+-+- 感想 -+-+

 癒し系の本でもしかするとNo.1はこの『ぶたぶた』シリーズかもしれない。

 あのピンクのボディーに渋い中年男性の声でかなり飄々としている(見える?)。

 その彼の姿に読者は微笑んでしまうのだ。

 もちろん、語り手の親しみのある優しげでフラットな文章がその癒しの原点なのは確かだろう。

 

 今回はタイトル通り、彼は「刑事」として活躍する。

 登場する人物も一貫していて、彼と付き合うことによって、幸せになっていく過程が非常によく描かれている。どこに彼はそんな力があるのだろう?そう考えてみても、答えは一つしか浮かばない。非論理的だけど、『彼がぶたのぬいぐるみだから』という事になる。

 

 本当に彼みたいな人間(ぬいぐるみ?)がいたら、もう少し世の中も幸せになるのかもなぁ…と、犬に乗ったぶたぶたの姿の描写部分を読みながら、しみじみと思ったものだ。

 今回も非常に可愛いぶたぶたがたくさん描かれていた。

 

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