◇「嵐の獅子たち」 栗本薫 （早川JA文庫）  ◇

+-+- あらすじ -+-+

　怪異に彩られたクリスタル・パレスでグインは、魔王子アモンとあいまみえる。

　その瞳の色に不吉な予兆を見るグイン。

　いっぽうヤンダル・ゾックの魔道によって眠りつづけていたリンダは、不意に目覚めて、グインに関する予知を口にする。その言葉に従い、グインはリンダとスニを連れ、行く手を阻む竜騎兵を打ち倒し、古代機械を利用して、クリスタル・パレス脱出に成功する。

　しかし、リンダをさらなる苦難が待ち受ける。

+-+- 感想 -+-+

　ああ、○○○○が！！

　と最後でついつい絶叫してしまった。

　大きく動き始めた歴史。

　平和から動乱へ。その予兆が強くなっている。

　話のキーを握るグインとリンダが合流し、話は徐々に新局面へ。

　イシュトヴァーンもトリックスターとして混乱している状況に拍車をかけるし、そんなイシュトを狙う人間も現れる。彼自身も話の中心に名乗りをあげてきた。

　マルガの描写がないので、さっぱりナリス側の思惑はわからないけど、これまでの経過を踏まえて、徐々にメインキャストがパロに集まりだし、キタイの動きも絡み始めた。

　一層、世界が広がったグインサーガは混迷を増しているように思える。