「ななつのこ」の続編。
ただ、この本から読み始めても全く違和感なく読めると思う。
話は「ななつのこ」と同様に生活の何気ないシーンが題材になっている。
今回は駒子の作品と対比させることによって話が進んでいく。
連作短編という形式なので、短編一つ一つで話は完結しているのだけど、同時にその短編の謎とは関係のない謎が深まり、短編を一つ一つ読むにつれて、その短編とは無関係の謎が交互に刺激しあい、それぞれの短編を関連付けている。そして、その短編を越えた謎が最後の短編へとコミットしていった。その関連付け方はさすが加納朋子と思わせるものだった。
最後のまとめ方はやっぱり加納朋子って暖かいよなぁとほのぼのしてしまう終わり方だった。
加納朋子の作品はどれもそうかもしれないけど、推理小説とは言っても、論理だけではなく、思う力が非常に強く働いているように思える。
そして読了後は温かな気持ちでまっすぐ前を向いて生きられそうな、そんな勇気を与えてくれるのだ。
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