今回は舞台を海へと移す。
舞台のためか、それとも登場人物たちのためかはわからないけれど、すごく生き生きとしていると感じられる巻だった。今までここまでの爽快感はこのシリーズにはなかったものだ。
どちらかといえば、重い作品だと言える。
しかし、どこまでも広がる海がそうさせたのか、それとも豪快な性格のトルハーンやその海賊たちがそうさせたのかはわからないけれど、あのラクリゼすらも楽しそうにさせてしまう巻だと思った。その分、ずっと笑える部分も多いし、意外な一面を見る思いだった。
この巻ではカリエの成長を見れる巻だとも表現できる。
エドがいない事で、彼女自身頼るものがない状態で、彼女は立派に状況に対応している。今までは誰かの助けがなくてはダメだったけれど、その助けがなくても、彼女はへこたれずに頑張っているのだ。なかなか読んでいて頼もしいものである。
サルベーンやラクリゼ、トルハーンたち、ザクリア人とカリエはどのようにして物語に関わっていくのか、それが徐々に大きなキーポイントになっていくように思える。
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