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 ◇ 須賀しのぶ 「砂の覇王6」 (コバルト文庫) ◇

+-+- あらすじ -+-+

 クアヒナの港から海路でリトアへと向かったバルアンとカリエの船は、海賊船に襲われた。船倉に放り込まれ、ひどい船酔いで気を失ったカリエが目を覚ましたのは、最初の船とは別の大きな船の中だった。

 そして、現れたのはラクリゼとエティカヤの大海賊・トルハーン!ラクリゼは、トルハーンと接触し、彼のもとにバルアンたちを送り届けるように命じられていたと言う。

 

 いったい何のために―――!?

+-+- 感想 -+-+

 今回は舞台を海へと移す。

 舞台のためか、それとも登場人物たちのためかはわからないけれど、すごく生き生きとしていると感じられる巻だった。今までここまでの爽快感はこのシリーズにはなかったものだ。

 どちらかといえば、重い作品だと言える。

 

 しかし、どこまでも広がる海がそうさせたのか、それとも豪快な性格のトルハーンやその海賊たちがそうさせたのかはわからないけれど、あのラクリゼすらも楽しそうにさせてしまう巻だと思った。その分、ずっと笑える部分も多いし、意外な一面を見る思いだった。

 

 この巻ではカリエの成長を見れる巻だとも表現できる。

 エドがいない事で、彼女自身頼るものがない状態で、彼女は立派に状況に対応している。今までは誰かの助けがなくてはダメだったけれど、その助けがなくても、彼女はへこたれずに頑張っているのだ。なかなか読んでいて頼もしいものである。

 

 サルベーンやラクリゼ、トルハーンたち、ザクリア人とカリエはどのようにして物語に関わっていくのか、それが徐々に大きなキーポイントになっていくように思える。

 

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