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 ◇「陰陽師 飛天の巻」 夢枕獏 (文春文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 「童子のあやかしが出没し、悪さを働いているようだな、博雅」

 「よし。では、ゆくか晴明よ」

 

 われらが都を魔物から守れ。

 百鬼が群れる平安京の闇の果て、幻術、風水術、占星術を駆使し、難敵に立ち向かう稀代の陰陽師・安倍晴明、笛の名手・源博雅。

+-+- 感想 -+-+

  時は平安。安倍晴明と源博雅のコンビが平安京の闇の部分で活躍する。

 二人の気心の知れた会話はとても心地良く、博雅の朴訥さ、晴明の一種難解だけど、優しさが心に染み渡る。

 あたかも自分自身も平安の都にいるような気にさえなってくる。

 

 魑魅魍魎たちの声をこの二人はお互い耳をすませて、聞き、そして解決しようとする。

 その二人の姿は格好良く、そして魍魎たちの姿は少しだけ哀しい。

 

 哀しい世の中ではあるけれど、彼らは決して諦めない。

 それはやはり自分の弱さ、他人の弱さを信じられる強い男たちだからだろう。

 晴明と博雅、この二人の男と酒を酌み交わせたと思うのは僕だけだろうか。

 

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