僕が村上春樹のファンで旅行が好きだからかもしれないけど、村上春樹の旅行記は非常に面白いと僕は思う。関心があるのなら、この雨天炎天をまずは読むことをお勧めする。
もし彼の旅行記に合わなくても、薄いから読み終えられると思うからだ。
まずはアトス半島を歩くギリシャ編。僕はこの本を読んで、アトスに一度は行ってみたいなと思ってしまうほどに、魅力的な描写だった。…とは言ってもギリシャ旅行と言えば、一般的なエーゲ海の優雅なクルージングを思い浮かべてしまう。でも、この本の旅行は粗末な修道院に徒歩で移動するだけのタフでハードなものだった。それでも魅力的に感じてしまうのはギリシャ正教が生活に根付いたこの地域を村上春樹の独特な感性で描いているからかもしれない。まったく僕たちとは異質な世界を肌で感じてみたいと僕は思った。
トルコ編も一般的なトルコ旅行とはまったく違ったものだった。
イスタンブールで東西文化の混合したものを感じるわけではなく、トルコ東部の…どちらかと言えば、治安の悪い地域へタフな旅行をしているものだった。そこで村上春樹は猫やチャイや交通事情など彼独特のトルコ生活への描写が非常に面白かった。
とにかく旅行好きの人にはとても面白く感じる旅行記だと僕は思う。
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