青春の一ページ。
なぜかはわからないけれど、強く動物園に惹かれる二人。
奇妙な行動を取り続けるジギーを持て余しながらも、グラフは常に彼に惹かれ続けていた。きっと、グラフとジギーは何かを求める上で共通の何かを持っているのだろう。
それを青春とも呼べるし、社会へのシュプレッヒコールとも呼べる。
とにかく彼らは旅に出て、その行く先で突発事故を起し、楽しんでいた。
一緒に寝転び、じつこく動物を解き放つ話をする。その動物たちを解き放つ行為に何をジギーは、そしてグラフは感じているのだろうか?
村上春樹に強い影響を与えた作品で、なんとなく『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を思わせる構成だった。ジョン・アーヴィングの処女作として、大物作家としての片鱗を感じさせる存在感だった。
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