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 ◇ 「エンジェル・ハウリング4」 秋田禎信 (富士見ファンタジア文庫) ◇

+-+- あらすじ -+-+

 ―怪物は怪物同士、殺し合う―

 老人の呟きが、暗い部屋に響き渡る。

 (どういうこと?)

 「学べ」聞こえる声。「精霊を御す方法を」

 左眼の疼き。そこに確かにあるもの。

 魔人ウルトプライド――。

 

 破壊し尽くされた村、慣れ親しんだ硝化の森を後に、国境を目指すフリウとサリオン。道行の途中、二人は奇妙な<狩り>に参加する。

 標的は謎の精霊。

 硝化の森以外に精霊が!?

 疑問に答えるかのように現れたのは、フリウにとって忘れられぬ人物だった!!

 

 積み重なる想いに、胸締め付けられる<フリウ編>第二幕。

 自分ではないものになるために、少女は一人、闇の向こう側へ手を伸ばす――

+-+- 感想 -+-+

 …相変わらず暗い…

 と最初の方は思っていたけど、話の展開上、仕方がない。

 そんなわけで、最初の方は暗かったけれど、徐々に本来の明るさを取り戻していったのは、個人的に楽観主義者の僕としてはありがたかった。

 

 とはいえ、基本的にはそこ抜けに明るいってわけじゃない。

 大きな壁の前に、立ちすくむ若者たちなのだから、仕方がないのかもしれない。

 なぜか、読者として、あのスィリーの「人生とはだな――」という悟りきった深みのあるようで、意味のわからない言葉が麻薬のように身体に浸透していく。

 そのうち、彼の言葉を待ち受けている自分がいるのだ(笑)

 

 この巻でフリウは大きな方向性を有するようになる。

 彼女がこの先、どこに到達してしまうのか?

 またミズーと重なり合うようになるのか?

 

 不可解な人物がまた増えて、謎ばかりが深まっていった。

 

 

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