やはり、こいつも妖怪馬鹿なのか??
そう思ってしまう。
主人公の多々良勝五郎大先生は作者の友人に酷似している。
きっと、モデルにしたのだろう。もし、これを読了して、モデルになった人に興味が湧いたのなら、京極夏彦・多田克巳・村上健司共著の「妖怪馬鹿」(新潮OH!文庫)を読むことをお勧めする。
さて、この多々良大先生はすごい妖怪馬鹿なのだ。
芯の髄まで妖怪に冒されている。その大先生と一緒に旅をするのは伝説蒐集家沼上蓮次。多々良先生と比べると、ちょっと常識人だが、かなりの馬鹿である事は否定できないだろう。(この人もまた誰かを想起させる。きっとこの人もモデルがいるのだろう。気になった人は是非、上述の「妖怪馬鹿」を読むことをお勧め。)
さて、この二人の馬鹿が一緒に旅をするのだから、問題や喧嘩が起こって当然。
それがまた楽しいのだ。なんとなくお似合いの二人なんだろうなと思えてくる。
強い友情というか、腐れ縁が読み取れる。
もちろん、薀蓄の深さも『妖怪シリーズ』とひけを取らない。
なかなか興味深い薀蓄が散りばめられている。
黒衣の彼が出てきて、一層、その妖怪の度合いが濃くなったように思える。
それほどに、妖怪が散りばめられていた。
ミステリというよりは妖怪(ミステリ)小説と言った方がいいのかもしれない(笑)
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