◇「もういいかげんあきらめろ！」 秋田禎信 （富士見ファンタジア文庫）  ◇

+-+- あらすじ -+-+

　これは幼少の頃天才ともてはやされたが、結局ダメな大人となってしまった一人の落ちこぼれ魔術士の物語である――。

　「昔神童今凡人……（ぼそぼそ）

　「君子豹変すとはいいますけどねぇ……（ぼそぼそ）」

　「くっそ〜、なんでコギーとボニーとラシィのトトカンタ名物迷惑三人女にそこまでいわれなきゃなんねえんだ！俺だって、俺だっていろいろあったんだよ！ちっきしょう、青い空なんてだいっ嫌いだ〜〜〜！！」

　――誰にでも触れられたくない過去がある。涙なしには語れない、オーフェンの過去が今明らかに！？

+-+- 感想 -+-+

　今回はちょっと珍しい感じのする短編があった。

　「思えば遠くへ来たもんだ」という短編なんだけど、オーフェンの「はぐれ旅」への心情が非常に興味深かった。最後のオチもかなり特殊だったし…。

　他にも「もういいかげんあきらめろ！」という短編も最後のオチのボギーがかなりかっこよかった。何と言うのか、今回の巻は妙にボギーがまともなのは気のせいだろうか？（笑）ちょっといつもとは違うまともな一面を見せてくれている。

　まぁ、その代わり、その分のぶち切れ方をしていたのはラシィだけど（笑）

　今回はコギー・ボギー姉妹とキースがそれほど目立たなく、ラシィ一派が妙に目立った巻だったと思う。嗚呼、ボルカンたちも影が薄かったな（笑）その分、ちょっとシリアストーンが強くなったのかもしれない。