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 ◇「屍鬼(ニ)」 小野不由美 (新潮文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 「尋常ではない何かが起こっている」

 死者の数は留まるところを知らず、村は恐怖の連鎖に陥っていた。

 山々に響き渡る読経、毎日のように墓場に消えていく真白き棺。

 さらにそのざわめきの陰で、忽然と姿を消している村人たちがいた――。

 廃墟と化した聖堂に現れる謎の少女。

 そして闇の中から射る、真白い視線……。

+-+- 感想 -+-+

 村を囲んでいた死が徐々に狭まっている。

 そして、確実にその死は生を奪っていき、残された者たちの精神をも蝕んでいた。

 静信も敏夫も頑張っているけど、その勢いを止められる様子ではない。

 

 そして、死に僕たち読者が慣れ始めたとき、今度は不可解な失踪が追い討ちをかけてきた。それがこの死とどう関係するのかわからないけど、その新たなファクターが一層恐怖を煽って行く。

 

 いつ、好きな登場人物が死んでしまうのか?

 その恐怖もあるし、抜け出せない悪夢に対する恐怖もある。

 とにかく、怖い。

 

 まだ真相すら見えない、原因からわからない死。

 死は確実に村を侵蝕している。

 

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