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◇「屍鬼(三)」 小野不由美 (新潮文庫) ◇
+-+- あらすじ -+-+
逃げ場のない恐怖の底に堕ちた村で、深夜、何者かの影が蠢き始めていた。
窓の外に佇む凍えた気配、往来の途絶えた村道で新たに営業し始めた葬儀社、そして、人気のない廃屋から漏れる仄暗い灯火……。
その謎に気づいた者たちの背後に伸びる白い手。
明らかになる「屍鬼」の正体。
樅の木に囲まれた墓場で、月光が照らし出した、顔を背けんばかりの新事実とは――。
+-+- 感想 -+-+
ちょうど、半分。
中間地点で、屍鬼の正体が明らかになった。
でも、だからと言って、この村が助かる可能性は相変わらずほとんどゼロに近かった。
絶望的だ…と思ってしまう。それが恐怖を煽る。
そして、死に包囲された村人たちの精神も完全に変容していった。
猜疑心が強くなり、固い絆はもうかすかにしか残っていない。
そして、多くの人間が消えていった。
それはついに静信や敏夫の周辺にも及んできた。
つまりは村の中枢に入り込んできたのだ。
そして、静信の心の闇も徐々に広がっているように思える。
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