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 ◇「いかなる星の下に」 冴木忍 (富士見ファンタジア文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 眠い目をこすりながら、おれは朝飯の用意をしていた。メニューはもちろん塩スープ……。

 「まったく、これが育ち盛りの食うものかよ。あーあ、貧乏が憎いぜ」

 おれの名前はカシム。悪名高い魔法使いメルヴィの弟子だ。自慢じゃないが、おれの師匠はこの界隈の借金帝王なのだ。

 おかげで、昨日も今日も明日も明後日も変わらぬメニューに、思わずぼやいてしまう。

 そんなある日、また借金の取立てかと思って開けた扉の前に、微笑を浮かべた男装の美女が立っていた!この美女が、とんでもない騒動を連れてきたのだった―。

+-+- 感想 -+-+

 メルヴィは女性と子供には優しい。

 そして、それは今作も例外なく適用されていた。

 また悪者アドルファスだったのだけど、どうやら今作でそのイメージは脱却できそうだ。彼もずっとメルヴィと付き合えたのは、彼がある程度メルヴィの価値観に合っていたからなのかもしれない。まぁ、つまり変人なのだ(笑)

 

 また今回は中世ファンタジーで宿命の身分制度をテーマにしていた。

 その宿命を冴木忍は絶妙な心理描写で描ききったと思う。

 同時に、群集心理の恐ろしさもうまく描いている。

 

 なぜ、メルヴィが悪名高いのか?

 その理由の一つも明らかになる。

 でも、やっぱり己の所業が一番なんだろうなぁ(笑)

 

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