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 ◇「夢見る佳人」 冴木忍 (富士見ファンタジア文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 リジィオは漆黒の闇の中を、依頼人のアリアズナとともに歩いていた。

 「ごめんなさいね、リジィオ」

 行き倒れていたところを助けられたとはいえ、彼女の依頼どおりにやって来た所は、真夜中の墓地!!いったい、彼女はこんなところに何の用があるのだろう……。

 

 リジィオの鼻腔に冒険の香りが広がる。

 史上最強の借金取りスティン、押しかけ弟子のシザリオン、笑い上戸の獣人ムスターファたちにつきまとわれて、リジィオは今日も変わらぬ借金返済の日々。

 あぁ、返し終わるのはいつのことやら……。

+-+- 感想 -+-+

 五編の短編が収録された短編集だ。

 個人的に好みだったのは「君のための子守唄」と「空の石 海の虹」が良かった。

 特に「君のための子守歌」はかなり感動してしまった。

 

 まずは「君のための子守歌」から。

 天才がゆえに疎んじられている少女。

 彼女はまだ少女なのに、その頭の回転の早さにより、大人びて見える。

 それをリジィオはその人の良さで、徐々に彼女の心を癒していった。

 彼女に迫る陰をリジィオが哀しそうに眺めたのも頷ける。

 

 また、「空の石 海の虹」はりジィオの隠された力が発現する。

 その時の『大馬鹿者軍団』の反応が笑えた。

 ストーリー的には重要なポイントのように思える。

 

 しかし、彼の借金は返せる日が来るのだろうか?

 この短編の中でも借金は返しても、減っていない(笑)

 

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