読後感は「うわー、こんなドモる主人公にはなりたくないけど、こういう考え方と幸せな人生は欲しいぞー」と感じる。原田宗典さんの講演会に一度行った事があるからかもしれないけど、この主人公と原田さんがダブって見えた。
僕はある面において、「青春」とは自分の子供的な部分と大人的な部分が微妙に入り混じった状態を表す言葉だと思っている。だから青春小説の登場人物は子供っぽすぎるのもダメだし、大人っぽすぎるのもダメ。そういう面で天才少年達はその天才ゆえに変なところで大人っぽくて、そして主人公やマリノさんはどこか子供っぽいところが抜けていない。だから、彼らの姿は「青春」を強く感じさせてくれるのだろう。
僕も過ぎていった「青春」を久しぶりに取り戻したような、そんな思いにさせられ、また主人公の姿に笑わせられながらも、強いシンパシーを感じた。瑞々しい感覚が自分の体内にみなぎっていくような、そんな気持ちにもさせられる。
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