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 ◇「煌の輪舞曲」 冴木忍 (富士見ファンタジア文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 その声は、今夜も古びた屋敷の大広間に流れてゆく。

 「早く、早く行かなくては大変なことになる!」

 暗く湿った夜の回廊を、道士リジィオは足早に歩いていく。大広間へ。

 待ち受ける恐怖へと!!

 リジィオが受けた依頼は、古い屋敷の幽霊退治だった。だが、生前は有能な道士だったと語る幽霊アルーンは、リジィオの力をもってしても厄介な相手。

 加えて夜毎リジィオを観客に披露する歌声は並外れた音痴。

 朝まで続く壮絶な死闘(?)に性も根も尽きそうなリジィオは、明るい夜明けを迎えることができるのか!?

 あてもない借金返済のため、今日もリジィオの血と涙の戦いが幕を上げる!

+-+- 感想 -+-+

 あらすじにもある通り、並外れた音痴の道士の幽霊アルーンがかなりいい味を出している。さすがのリジィオもかなりぐったりの様子だ。

 これまでリジィオを読んでいて、道士という職業はかなり精神的に辛いものだとわかった。そして、道士幽霊のアルーンも精神的に強かった。

 その彼が幽霊になっているのは、やはり彼も人間だったからだろう。

 道士という職業が、どのようなものかというものが多少描かれている。

 

 今回は『夢の雫』という短編が面白い形をとっていた。

 ショートショートのような長さの物語が数編、同じテーマで書かれているようだった。

 特に、人形の話はかなり感動した。ショートショートも冴木忍は上手い。

 

 やはり今回も例の大馬鹿集団が現れた。

 大馬鹿はなぜこれほどまでに大馬鹿なのだろうと思ってしまう。

 救いようがないとゆーかなんとゆーか…。

 そして、これが出ると、どうも論点はリジィオの血と、そして大馬鹿集団になってしまうために、若干他の短編とは毛色が違うような気がした。

 

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