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 ◇「六花の舞う頃に」 冴木忍 (富士見ファンタジア文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 メルヴィを知る二人の魔道士アドルファスとルカス。メルヴィと同じ魔道士であり、立場を違える二人だけが知っている"歩く破壊神”メルヴィの真の姿!

 

 <黄金の都>の魔道士組合に所属し、依頼された仕事をきっちりこなす、理性的にして有能な魔道士アドルファス。しかしその実体は、長老の末席に加えられながら、何かといいように使われる便利屋だった。そんな彼が魔道士を志した理由とは?

 

 魔道士ルカス。かつてメルヴィと親しく付き合い、カシムから信頼されながら、痛烈な裏切りの果てに滅んだ男。その深き闇を生み出した背景とは?

 

 メルヴィ&カシムの外伝的位置を占めるエピソード二編。

+-+- 感想 -+-+

 徐々に『いい人』になっていき、保護者的苦労を押し付けられつつあるアドルファスの意外な過去が表題の『六花の舞う頃に』では描かれている。もちろん、メルヴィ絡みだ(笑)三色頭くんやケイモス、そしてミッフィーたち弟子と強大な敵に立ち向かう。無論、お笑いっぽく。当初、クールな青年だったケイモスもこの毒に犯されつつあるようだ。

 アドルファスがなぜ魔道士を志したのか?かなり興味深いエピソードだったと思う。

 

 最初の巻でメルヴィと共に行動したルカスの物語も興味深い。

 昔のメルヴィを知れる中編だったし、メルヴィの背負う何かを垣間見れたような作品だった。ルカスとメルヴィの激しいやりとりも笑えた。

 

 メルヴィに深く関わる二人がどのようにメルヴィにより変化していったのか。

 それがとてもよく描かれていた両編だと思う。

 

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