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 ◇「天高く、雲は流れ1」 冴木忍 (富士見ファンタジア)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 「変わってねぇなぁ」

 イアルの都でフェイロンはそう呟いた。

 十七歳の時に家出をして以来、六年ぶりの帰郷だった。

 彼は説教好きで強引な性格の兄、オルジェイにむりやり政略結婚させられそうになって家を出ていたのだ。

 「わぁ!人がいっぱいいるよ!」

 目をしばたたかせる息子のユンファに笑いかけながら、フェイロンは兄がどんなに怒るか想像して苦笑いを浮かべた。結婚を嫌がっていたのに、子供まで連れて帰ってきたのだから。

 だが、どうしても帰ってこなければならなかった。イアルに大いなる災いが訪れようとしていたのだ――。

+-+- 感想 -+-+

 今度の主人公は冴木忍の作品では珍しく不幸ではない(笑)

 どちらかといえば、困らせる方の存在だ。破天荒で、豪胆。

 からっとした性格で気持ちがいい。

 …まぁ、その代わりまわりの人間たちに多大な迷惑をかけるようだけど。

 

 かなり長大なシリーズになりそうである。

 卵王子カイルロッドの苦難を思い出す。あれも超大作で、一冊目の終わりは冒険の始まりで、伏線の張りまくりだった。

 長編は根気も必要だけど、その根気が感動に変わるはずだ。

 

 短編や読みきり型のシリーズが多い冴木さんだけれど、この「天高く、雲は流れ」は確実に超長編になるだろう。

 

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