もう、絶望的だ…。
前の巻で、あまりの神聖パロ軍の軟弱さとイシュトの悪鬼のごとき強さに、誰もがナリスの最後を予感した。ゴーラ軍が強いのか、パロ軍が弱すぎるのか…。たぶん、そのどちらともなのだろう。今までナリスを信じ、付き従っていた名だたる武将たちも倒され、そして、ついにイシュトは最深部へと到達する。そう、ナリスの寝所へ。
外伝で語られたヨナとイシュトのエピソードがここでついに本編に影響を与え始めてきた…。ヨナの存在は変わり果ててもイシュトには特別だった。かなり殺伐とした内容だったけれど、イシュトがまだそういう絆をちゃんと守っているところはホッとした。
そして、リンダ、グイン、イシュト…。
ノスフェラスで一緒に旅をした仲間たちが一度に会する時、新たな展開が生まれた。
いい意味でも悪い意味でもノスフェラスで一緒に旅をしてきた人間たちが世界の中心にいて、それがどのように今後に影響するのか興味のつきないところだ。
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