「裏庭」が独特な感性が前面に押し出された個性作であるのとは違って、この「西の魔女が死んだ」はそれに比べれば非常にスタンダードな感性が中心になっている。
もちろん、世界観から見れば個性的な部分も多々見受けられるけど、こちらは「裏庭」よりも絶対「好き嫌い」の度合いはひどくないだろうと思う。
将来に不安を抱くのが14歳前後であるのは確かだろう。
中途半端に世界が見えるという事は真っ暗闇を手探りしながら歩くというものと同じだからだ。ちょうど肉体的にも子供から大人へと変化し、価値観も急激に変わるこの時期――まいは何かを見失ってしまいそうになっていた。
学校へ行きたくない。
息苦しい学校生活に背を向け、おばあちゃんの家へ行くと、そこはまるで別世界!
学校とは正反対の世界が開けていた。
そこで彼女は西の魔女に『魔法の使い方』を学びながっら、少しずつ何かを学び、何かを取り戻す。それは僕たちが失いそうになっているものだし、忘れているものだろう。
僕も西の魔女から多くのものを学べた。
忙しい時こそ、ちょっと読んでみたくなる一冊である。
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