かなりコメディちっくだけど、決してコメディ一本ではなく、充分児童文学としての要素は持ち合わせていると思う。
主人公の『僕』はかなりやる気なし。
いきなりの家庭環境に馴染めないのもあるけど、かなり投げやりなところがある。
それがどこか僕たちの年代で共感を覚える事ができる。
自分と他人。
普通と非凡。
色々な誤解や悩みでみんな苦しみ、もちろん、『僕』も苦しむ。
青春ならではの恋の悩みもある。
みんなみんな、生き方を一生懸命模索している。
そして、『僕』は徐々に自分の傷だけでなく、他人の傷も見えてきた。
『生きる』というものを見つめさせてくれる。
そんな本だと思う。
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