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 ◇「Colorful」 森絵都 (理論社)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 「おめでとうどざいます。抽選に当たりました!」

 そう言って僕の目の前に現れたのは、見ず知らずの天使だった。 

 どうやら僕は前世での行いが悪かったため、魂の輪廻のサイクルから外されてしまうところだったらしい。

 しかし、良く分からない抽選でもう一度チャンスを与えられた。これから下界で他人の体に乗り移り、その人として暮らす。そして一年以内に自らの前世の過ちを思い出すことが出来たら晴れて輪廻のサイクルに戻れる、とそういうことらしい。

 突然の事でやる気の出ない僕。

 どこか悪魔風情の天使プラプラ。

 彼は無事に輪廻のサイクルに戻れるのか!?

+-+- 感想 -+-+

 かなりコメディちっくだけど、決してコメディ一本ではなく、充分児童文学としての要素は持ち合わせていると思う。

 主人公の『僕』はかなりやる気なし。

 いきなりの家庭環境に馴染めないのもあるけど、かなり投げやりなところがある。

 それがどこか僕たちの年代で共感を覚える事ができる。

 

 自分と他人。

 普通と非凡。

 色々な誤解や悩みでみんな苦しみ、もちろん、『僕』も苦しむ。

 青春ならではの恋の悩みもある。

 

 みんなみんな、生き方を一生懸命模索している。

 そして、『僕』は徐々に自分の傷だけでなく、他人の傷も見えてきた。

 

 『生きる』というものを見つめさせてくれる。

 そんな本だと思う。

 

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