肉体と精神のギャップ。
それは言葉で語るよりもずっと重く、苦しいものだった。
妻の葬儀の夜に意識を取り戻した娘に宿っていたのは妻だった。
そんなかなりどうしようもない状況は、徐々に主人公平介と妻の直子の関係を壊していく。
妻なのか娘なのか――?
救いようのない状況の中でお互いの信頼が崩れ始め、読者はハラハラドキドキさせられるに違いないだろう。
最後の数ページ。
本当の『秘密』が姿を現した時には本当に驚かされた。
男性なら主人公の平介に感情移入でき、切なくなれ、女性ならヒロインの直子に感情移入できて、切なくなれるだろう。
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