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 ◇「秘密」 東野圭吾 (文春文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 妻・直子と小学五年生の娘、藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の身体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。

 その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった。

 映画「秘密」の原作であり、98年度のベストミステリとして話題をさらった長編。

 第52回日本推理作家協会賞受賞作。

+-+- 感想 -+-+

 肉体と精神のギャップ。

 それは言葉で語るよりもずっと重く、苦しいものだった。

 妻の葬儀の夜に意識を取り戻した娘に宿っていたのは妻だった。

 そんなかなりどうしようもない状況は、徐々に主人公平介と妻の直子の関係を壊していく。

 

 妻なのか娘なのか――?

 救いようのない状況の中でお互いの信頼が崩れ始め、読者はハラハラドキドキさせられるに違いないだろう。

 

 最後の数ページ。

 本当の『秘密』が姿を現した時には本当に驚かされた。

 

 男性なら主人公の平介に感情移入でき、切なくなれ、女性ならヒロインの直子に感情移入できて、切なくなれるだろう。

 

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