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 ◇「神々の憂鬱」 茅田砂胡 (中央公論新社)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 異世界から来たシェラにとって<この世界>は魔法に満ちていた。

 科学という<誰にも平等に使える魔法>が、人の代わりに何でもやってくれる。

 しかしシェラは知っていた。

 <限られた者たちにしか使えない魔法>の存在を。

 ――魔法惑星ボンジュイの存在を。

 

 ついに黄金の太陽リィと銀の月シェラ、そして闇のルウの三人が集う。

 この世界――宇宙に何が起きるのか?

+-+- 感想 -+-+

 現実世界と魔法世界、そしてデル戦の世界。

 その価値観が乱立しているような感じがする。

 それが軋轢となり、違和感となっているような気がする。

 思うんだけど、このシリーズに違和感を覚える人は多いだろう。

 特に思い入れが強ければ強いほどその傾向があるはずだ。

 

 もともと純粋なファンタジーの世界観と近未来SFの世界が交差した世界だ。

 当然、その軋轢が一つのテーマになるのだろうけれど、まだ伏線を張っている段階なのか、あまりにもその軋轢の描き方が偏っているように思えてならない。

 つまり、ファンタジー基準のナレーションに僕は馴染めなかったのだ。

 もっとも、それは何もまだ物語が動いていない証拠なのかもしれないけれど。

 

 にもかかわらず、水面下では確実に物語は進行しているようである。

 最後の部分なんて「そこで終わるのかよっ!」とツッコミを入れたいほどだ。

 

 次の巻ではかなり物語が動きそうな気配なので楽しみである。

 

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