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 ◇「ブギーポップミッシング ペパーミントの魔術師」 上遠野浩平 (電撃文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 君は何かを取り逃してしまったことはあるかな?

 とてもとても大切な事だったのに、つまらない意地を張ったり、目の前の事ばかりに気を取られて見逃してしまった事はないかい?

 …これはそういう事を繰り返さざるを得なかったある魔術師の話だ。

 彼は天才で、成功者で、そして失敗者だ。この魔術師が辿る一途で愚かで、そして寂しく陽気なこれはアイスクリームの物語。冷たく鮮烈な甘さは、一瞬の、そう、この僕ブギーポップですら見逃してしまうほど早く、あっという間に解けて消えてなくなっていくひと時の慰み。

 道化師と死神とそして夢破れた人々が織り成す、無邪気で残酷な悲しい御伽噺。

+-+- 感想 -+-+

 無邪気で一途だけど、何か大切なものを欠落させたままの魔術師。

 今回の“世界の敵”の印象だった。

 ただアイスクリームを誰かに食べてもらえればそれで十分だったのに、まわりの人間たちは彼をそれだけでは認めなかったし、それは彼の不幸でもあり幸運だった。

 

 ブギーポップシリーズ始まって“最大”の世界の危機。

 アイスクリームが?と思われる方。

 そう彼の作ったアイスクリームは世界を危機にさせるほどのものだった。

 

 ブギーポップは彼に何も攻撃はしなかった。

 ただ、物悲しく見つめていただけのようだが、それでも魔術師は失敗していった。

 

 優しくて、ちょっと馬鹿で、一途な魔術師の姿を見ると、物悲しく感じるけど、同時に温かい気持ちにもさせられた。

 

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