さすがに上手い。
素直に感心させられる。
短編が三編収録されているが、そのどれもが魅力的で軽快な文章で描かれている。
特に女性の心理描写が上手く、しかも可愛い。
明るく、でも傷つきやすく、一生懸命な女の子が三編ともに登場する。
その中でもやはり一番、面白かったのは表題作の「グリーン・レクイエム」
星雲賞日本短編部門受賞作で、プロットはしっかりしているし、話の流れもとても魅力的で、一気に読ませてくれる。
男の子と女の子が手に手を取り合って、進む姿は微笑ましい。
あとは「宇宙魚顛末記」もなかなかコミカルで、そして女の子の悩み悩みがヴィヴィッドで面白かった。
でも、この作品の面白さはやはり人情味溢れる悪魔かもしれない。
とにもかくにも、三作品ともみんな温かく、微笑ましい人間が非常に軽快に描かれていたと思う。
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