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 ◇「名画の受難」 小林めぐみ (富士見ファンタジア文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 ゼツィッツイの暮らしもようやく落ち着いてきたウィルたち。そんな時…。

 「『死の舞踏』を知らないか?」

 ウィルたちは道を歩いていて、突然怪しげな男にそう尋ねられた。

 目をぎらつかせ、獰猛な雰囲気を持つ男の正体は、新進気鋭の作曲家、ダン・バーゼルだった。彼は創作上の刺激を求め、『死の舞踏』という絵を探していたのだ。

 バーゼルを慕う女性の依頼で、ウィルたちは『死の舞踏』を探すハメになる。ところが、その絵には奇怪な噂が流れていた……。

 彼らの身に危険が迫る!!

+-+- 感想 -+-+

 主人公のウィルはどちらかと言えば、マギーやバズに比べて、絶対的な力と判断を持っていて、どうも大人として読者も判断しがちだ。それはウィルの祖父であるエドやパトロンのシンシアなども同じだろう。

 しかし、今回の巻で、ウィルを子供らしく扱うツワモノとゆーかちょっと変な人が登場する。もちろん、エドとも知り合いだ。

 

 今回もウィルと友達二人のある種の行き違いが描かれていて、それが今後、どうなっていくのか興味深い。何でも一人でできるウィル。それをいつも複雑にさせる幼馴染たちに彼がある種の感情を持っていても、不思議はないだろう。しかし、それでも関係がこじれないのはウィルがどれだけ友達が不足しているかの証明になるのかもしれない。

 

 絵を探せば探すほど、ウィルたちの身が危なくなる。

 絵を探すだけではなく、それとの戦いぶりが最後までストーリーを締めてよかった。

 また、妙な盗賊団も絡まり、ウィルの気苦労は増えるばかり(笑)

 彼が大人すぎるのか、それともまわりがトラブルメーカーなのか…。

 ついつい、ウィルの分まで幼い盗賊団のリーダー、ヘンリエッタが可愛らしい。

 

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