△booklist top

 

 ◇「占星術殺人事件」 島田荘司 (講談社文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 怪事件は、一人の画家の遺書から始まった。

 その内容は、六人の処女から肉体各部を取り、星座に合わせて新しい人体を合成する、というもの。

 画家は密室で殺された。そして一ヶ月後には、六人の若い女性が行方不明!

 奇想天外の構想、トリックで名探偵御手洗潔をデビューさせた、衝撃的傑作。

+-+- 感想 -+-+

 綾辻さんの「館」シリーズで味を占めた僕は、次に島田荘司の「御手洗潔」シリーズに触手を伸ばす事にした。本格モノという事で、それほど物語を重視するわけでなく、ただミステリを解くのに挑戦するという気構えで読み始めたため、僕はとりたて不満のない読書をできたわけだけど、もしかすると物語重視の方にはこの作品は物足りないかもしれない。

 

 御手洗潔という名探偵が本作品でデビューするわけだけど、一口に言っちゃえば、「変人」である。京極堂の榎木礼二郎に似ているかもしれないが、あれほどはキレちゃいない。しかし、まぁ、常人では推し量れない性格で描写されているのは確かだ。どことなく森博嗣が描写する「変人」にも似通っているような気もするが…それは気のせいかもしれない。

 

 物語はすべての物的証拠を提出し、読者がその証拠から犯人を導き出すという形で展開されている。もっとも、ちゃんと謎解きもあるから、わからなくても問題はないけど。

 ちなみに僕はなんとか最初の挑戦のところで、トリックと犯人を当てることができ、かなり満足。こういう時、ちゃんと読書してきた甲斐があったなぁと救われる気持ちだった。

 

 そんなわけで、名探偵になりたい方やミステリというものに興味を持っている方は挑戦して見るといいかもしれません。

 

△Topに戻る△