まず、これはシリーズ化してほしい!!という事だった。
それほどに魅力的なキャラクター、構成、世界観があったように思える。
特にキャラクターの魅力は特筆すべきものだろう。
主人公の少年―トモル。虚無を抱える少女―夢幻。ヒーロー、ヒロインが魅力的なのは当然で、脇を固める登場人物たちもとても魅力的だ。バードとアノーの二人もトモルや夢幻に負けず劣らず魅力的に描かれているし、副官のミルトもそうだ。
拮抗した状態で繰り返される戦争。そんな絶望的な世界で、少年少女たちは出会う。
お互いが刺激をしあい、影響しあい、恋をし、憎み、戸惑い、混ざり合っていく。
上遠野浩平らしい若者のヴィヴィッドな心の動きをうまく描いたなぁと思う。
彼らはこの先、どうなっていくのか?
物語は終わったのだけど、作り上げるのはこれからだと思うから、彼らが行く世界を見てみたい気がする。
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