じりじりした恋がなぜか?
この巻でその理由が明らかにされる。
確かにその通りで、それに気づいたかれんや勝利は新しい段階へ進もうとしていた。
つまり、若干、小説の質が変わったのである。
恋愛小説なのは確かなんだけど、恋愛にも色々と段階があって、次のステップに到達した二人。
これに戸惑う読者もいるだろうけど、僕はそれほど戸惑う事は無かった。
恋人と長く付き合った事がなければ、わからないかな?
恋人がいるからこそ、注意しなくちゃいけないこと、そして頼るべきこと。
その適度な恋人との距離感がなかなか難しいんだ。わかってはいるんだけど。
かれんが、勝利が、お互いとても大切にしているからこそ、その適度な距離感の苦心は大きいものだと思う。
まだまだ二人の理想の恋人、理想の関係、理想の自分、探しは続きそう。
優しすぎる二人を見て、ちょっと微笑ましいと思いながら、そーいえば、自分もホントに好きな相手には怖いくらい優しすぎて、怖いくらい臆病だったよなぁと思った。そんな恋を彼らは思い出させてくれた。
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