△booklist top

 

 ◇「あなたにここにいて欲しい」 新井素子 (講談社文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 どんな事でもツー、カーでわかってしまう「特殊な関係」の「あたし」こと真実と祥子。けれど、そんなあたし達の間にも誰も知らない「悩み」がいっぱい!二人を絡めている不思議な糸の正体って、一体何なのだろう?

 若い女性の奇妙な愛と夢の長編青春物語。

+-+- 感想 -+-+

 あらすじの軽い紹介を信じて、読み始めると、途中から、その雰囲気とのあまりの落差に戸惑ってしまうかもしれない。僕は楽しく読めたけど。

 そう、つまり、軽いと思った作風が非常に重たいものになってしまうのだ。

 シリアスと表現してもいいと思う。

 

 作家がすごくファンタジー的な要素を取り入れていながらも、現代の歪み(家庭内不和から生じる様々な事象)をヴィヴィッドに描いているのは驚きだった。しかも書いたときが23歳だというのだから、一層驚き。ただ、僕自身が作者が書いた当時の年齢に近いせいか、すごく感情移入はできた。結構、この作風は好みかもしれない。

 

△Topに戻る△