ゾワゾワ。
そんな表現をしてしまうくらいに、結構、怖い物語だった。
「光の帝国」のようなイメージで読むと裏切られたと感じるので、これを読む際には、綺麗さっぱり忘れる事をお勧めする。
物語は九州の片田舎。
堀に囲まれたそんな田舎が、徐々に世界の深淵へと登場人物たちを誘う過程はさすがにぞっとするものがあった。また、物語が進行するにつれて、人の心の闇も顕わになってくるので、一層怖い感じがする。
僕たちにもし行き着く先というものがあるとするのなら、ここに描かれているモノはそういった一つのケーススタディになるような気がする。
人の心が行き着く先の現実はやはり脆く、そして強いものなんだなぁと素直に感心させられた。
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