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 ◇「キャッチャー・イン・ザ・ライ」 J.D.サリンジャー (白水社)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 何度目かの退学処分を受け、たったひとりでニューヨークをさまよう16歳の少年――ホールデン・コールフィールドの目に映る世界。

 最初から最後までコールフィールド一人称で語る作品。

 おとなの「インチキ」に対する辛辣な批判、彼の感じる孤独、社会への反発。

 それらをユーモアも含めて描いた「永遠の青春バイブル」が村上春樹氏の新訳で再登場。

+-+- 感想 -+-+

 まず小説というのは読了しなければならないと思う。

 まぁ、必ず読了しろというわけじゃなくて、読みきらなければその小説の評価はできないと考えるからだ。

 だから、途中で投げ出したら、それはほとんど未読と同じだと僕は思っている。

 

 この小説はほとんどの読者は主人公のホールデン君の態度にイラつくと思う。

 言い訳の多い性格、理想と現実の狭間で揺れる気持ち、そして自分すら抑えることの出来ない感情。

 僕は何度か「一度、死んでみろ、ホールデン」と心の中で罵倒したぐらいだ。

 

 しかし、この小説の真の価値は彼のある種の落下と、その中でも失われなかった純粋さなどをこのイラつく展開から読み取れるかだと思っている。

 だからこそ、最後での可愛いフィービーとのシーンと、最後の独白の部分だと思う。

 

 是非、この小説を投げ出しそうな人は辛抱して読んでほしい。

 最後に、なぜこの小説が不朽の名作になりえたのかわかると思う。

 

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