夏の暑さを凌ぐために読み始めた百物語だけど、やはり京極堂シリーズと同じく怪異系ミステリだった。まぁ、とは言え、時代は江戸時代でずっと時代物に近く、その上、怪異の比重も高いように思える。
やはり登場人物たちが魅力的だ。
主役級の「御行の又市」は言うまでもなく、京極堂シリーズではあまり目立たない女性陣だが、このシリーズでは「山猫廻しのおぎん」が大活躍でしかも魅力的だ。
依頼された仕事を彼らなりで解決するのだが、非常にそのプロセスが面白い。
まずは環境を整え、隙の無い運びで、ターゲットを仕掛けの中央へと招きいれる。
最後の「御行奉為」という一文なんてくぅ〜と唸ってしまうくらいだ。
また業という部分も非常にうまく描かれているように思える。
怪異と人の業は切り離せないものなのかもしれない。
とにかく京極堂シリーズが好きな人なら気に入るだろう。
憑き物落としに似た雰囲気がこの本には充満しているからだ。
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