◇「復活の朝」 栗本薫 （ハヤカワJA文庫）  ◇

+-+- あらすじ -+-+

　過酷な行軍を経て、グイン軍はついにクリスタルに突入した。

　各所で抵抗するパロ軍を打ち破り、精神を操られている市民軍の襲撃を退けてクリスタル･パレスに侵入したグインは、やつれ果てたレムスに出会う。

　それはアモンが取り憑いたものであり、アモンはクリスタルの都を滅ぼさないかわりに、古代機械を操作するよう、グインに迫るのだが、グインは亡きアルド・ナリスの遺志を汲んで、機械の破壊をもくろむのだった。

+-+- 感想 -+-+

　やっぱりグインは恐るべし。

　そう実感させる。

　確かにアモンは普通の人間よりグイン側に近いと言えるだろう。

　だから、グインもペースを乱されたし、アモンに手玉を取られる事もあった。

　しかし、グインは最後には帳尻を合わせてくるのだ。

　タイトル通り、復活の朝なのだ。

　何が復活って、ちゃんと読んでいる人はわかるだろう。

　そう、グインはちゃんとやったのだ。

　しかし、それが一時的なものであるのは明白だし、次はたぶんもっと過酷な戦いになるのは確かだ。

　新パロの前途はやはりあの貧乏くじ魔術師にかかっている。

　だが、意外だったのはヨナだった。

　イシュトとヨナ。

　いつか本格的に交わるのかわからないが、イシュトがどのように変遷するのか、グインとイシュト。二人の行く末がどこにあるのかというのがやはりサーガにも大きく関わってくるのだろうと思う。