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 ◇「三毛猫ホームズの卒業論文」 赤川次郎 (光文社)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 書き上げた論文が、殺意に火をつけたのか?

 被害は意外な人物にまで及んで……。

 共同で卒業論文に取り組んでいた杵谷淳子と水原悠一。

 しかし、論文が完成した夜、悠一は何者かに刺されてしまう。

 淳子は論文が原因ではないかと考えるが、自分も別の事件に巻き込まれ、倒れてしまった。彼らが書いた卒業論文では、ある殺人事件の調査が行われていたのだ……!!

 犯人を追う片山兄妹とホームズを待ち受ける罠。

 犯人の狙い、そして連鎖する事件の真相は!?

 本作はメモリアルな25周年、40作目。

+-+- 感想 -+-+

 25周年、40作目。なんとなくしみじみとこのシリーズの息の長さに感心してしまう。

 片山さんも成長し、それなりの刑事になったが、相変わらず晴美や石津たちとの軽妙なやり取りなどは変わらずであり、楽しい。

 

 ミステリはかなり深刻なものが多いのだが、三毛猫ホームズシリーズは深刻なものもあるけれど、登場人物の温かさでそれを感じさせないし、基本的にほのぼのとできる。

 僕はそれが大好きなのだ。

 

 今回はなかなか不思議な事件だったように思える。

 先行きの見えない展開。

 悪意は感じられず、自分には理解できない動機があるような気がした。

 そう感じさせる赤川次郎の技量はさすがだなと思う。

 

 片山と晴美、そして石津。

 25年経っても、彼らは変わらない。

 それが嬉しいし、変わらないでいてほしいと思う。

 まぁ、片山さんには恋人ができてもいいがと思う時もあるけど(笑)

 

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