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 ◇「三毛猫ホームズの狂死曲」 赤川次郎 (角川文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 「命が惜しかったら、演奏をミスするんだ」

 権威あるヴァイオリン・コンクールの決勝に進出する桜井マリにかかった謎の脅迫電話を片山刑事の妹、晴美がうけてしまった!!

 最終選考に残った苦学生、プレイボーイ、深窓の令嬢風、コンクール荒らし等、7人の男女は、東京近郊の宏大な別荘で一週間外部との連絡を絶たれて、課題曲ととりこむことになった。三毛猫ホームズと片山刑事は、この“巨大な密室”に張り込んだが…。

 殺人、自殺未遂、放火、地震、奇妙な脅迫。次々起こる難事件を片山、いやホームズはどうさばくか? ベスト・セラー独走中のユーモアミステリー。

+-+- 感想 -+-+

 三毛猫ホームズシリーズの中でも僕のお気に入りの一冊。

 片山さんの女性恐怖症が十二分に発揮される巻でもあるし、何気に桜井マリとの絡みがとても面白く、しかも最後ではなかなか片山さんは男を見せてくれるからだ。

 

 事件はその桜井マリを中心に展開される。

 毎度のこと、先の読めない展開。

 一貫しない事件の数々が読者を翻弄するだろう。

 

 それをホームズが片山さんを使って、解決していくのがやはり気持ちがいい。

 コンクールに向けての練習で一人、理想と現実の狭間で苦悩するマリ。

 その姿はやはり胸を打つものがあった。

 そういう意味で競争社会の厳しさと辛さを赤川次郎は本当にうまく描いたと思う。

 

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