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 ◇「三毛猫ホームズの歌劇場」 赤川次郎 (角川文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 美人からの熱烈なキスでウィーンに迎えられた片山ら三毛猫ホームズ一行。

 さっそく謎の日本人女性ピアニスト行方不明事件の相談をもちかけられてしまう。

 皆でオペラを楽しみに行けば、片山がボックス席に監禁されるし、その上、奇妙な殺人事件に巻き込まれて…。
 歌劇場を舞台に三毛猫ホームズたちの大活劇!

+-+- 感想 -+-+

 片山さんの優しさ。

 それがシリーズの魅力の一つになり、また同時にその優しさがモテる理由なのだろうけれど、この巻では特にその傾向が強いように思える。

 『彼女』の再登場には驚かされたし、同時に少しニヤニヤしてしまった。

 またリザとの絡みは微笑ましくも、やはりどこか痛々しく、読んでいて、温かくも切ないような複雑な気持ちになった。

 

 片山さんも立派にキスができるようになったし、女の子とも抱き合ったり、腕を組んだりしていた。一時的に女性恐怖症を克服した巻でもあるのかも。

 

 この巻の最後のシーンは非常に印象的なものに仕上がっている。

 シリーズの中でも上位に位置するほど。

 片山さんがこの事実に突き当たったとき、どのように感じるのか。

 ふと、それを思い、胸が痛んだ。

 

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