実は何気なく買った本だ。
僕のお気に入りの本屋さんで売れ筋の文庫として紹介され、あらすじを読んで、僕は買うことにした。
題材は十字軍。
しかも、サラディンの時代だから、僕は嬉しかった。
主人公はヴァレリーという青年。
彼ほど英雄らしくない英雄も珍しい。
詳しいことは書けないけれど、そうアムロを初めて見た時に似ているのかも。
ある種の衝撃を受けたのは確かだ。
非常に緻密に十字軍の戦いを描いていると思う。
戦術から心理戦、また白兵戦まで、戦争全般をテンポ良く描いている。
いつのまにかにすっかり十字軍の中にいる気分になった。
十一年も続いた長編なので、気軽に読めるものではないけれど、アルスラーンなどが好きな人であれば、きっと好きになるような戦記ものだ。
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