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 ◇「このワガママな僕たちを」 銀色夏生 (角川文庫)  ◇

+-+- あらすじ -+-+

 やはり素晴らしい事は、時が過ぎていくという事。恋する心も夢への希望も動いている時間の中にあって、常に状況は変化しています。変化しているという事は、頼りなくも感じるけど、実はとても自由でとても救われる事です。でも、その自由さは時には心細いものなので、信じられる何かを持つ人は大変力強いです。その信じられる何かが、「可愛いらしいものをチラッと見てしまった時の喜び」や「面白い事をふいに思いついたりする事の幸せ」のように、いつでもどこでも存在するものだったりするなら、あなたは大丈夫です。

 

 私たちの見えない思いは、世界に溢れています。

+-+- 感想 -+-+

 Flatな世界がひらけている。いつもそんな感じだ。そこにある事象すべてが何の虚飾なしに、存在する。ただ「在る」のだろう。僕たちが時とともに、社会とともに失っていった『何か』が彼女の詩や言葉にはある。

 ただ自分の気持ちを何の嘘偽りもなく言葉にして。

 彼女の詩はいつもそんな純粋さで、僕たち読者を癒してくれる。

 

 そして、詩や言葉とともに、彼女が書いたイラストもとてもいい。

 プロのように上手なわけではない。いや、もっと言えば、やはり素人だ。

 しかし、その絵は不思議と彼女の詩と言葉に溶け込んでいる。

 

 彼女の感性は色々な形でこの本の中に詰め込まれているのだろう。

 

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