男の拙さ、不器用さ、そして常に夢を追い続ける姿。
なんというかそのすべてが読んでいると愛しく感じられてくる。
少なくても男性である僕はやはりこの主人公の生き方に強く惹きつけられてしまうのだ。
これは多くの日本人が新撰組の生き方に惹きつけられるのに似ているかもしれない。
やや古式ゆかしい形の男女像に感じられるかもしれないが、男のロマンにはこういう古式ゆかしい形の話がいいような気がする。
男のロマンを追い続けた男が歩む道は多くの棘が待ちうけ、その行き着いた先は思いもかけない場所であり、存在であった。
夢と現実。
そのハザマで不器用にも苦悩しながら進むトラは醜くも、美しい存在だと思った。
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